上京区・中京区近隣の総合内科クリニックです。呼吸器疾患(咳、息切れ等)、リウマチ・膠原病疾患のご心配のある方はお気軽にご連絡ください。患者さまが自分の病いと上手く向き合い、その人の人生をその人らしく生きていけるように手助けする、そんな医療を目標としています。

混合性結合組織病

混合性結合組織病

MCTDとは?

混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)とは、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎のそれぞれに似通った症状が混在しており、採血上で抗U1-RNP抗体という数値が上昇している膠原病です。

MCTDの疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本ではMCTDの患者さまは約1万人以上おられると考えられています。MCTD患者さまの男女比は1:16で、30-40歳代の女性に多いです。MCTDの正確な原因はまだわかっていませんが、抗U1-RNP抗体が何らかの原因で産生され、それが身体に障害をきたしている可能性が指摘されています。

MCTDの症状

MCTDでは、初発症状としてレイノー症状、手指のソーセージ様の腫脹をきたすことがほとんどです。指を曲げてじゃんけんのグーの形をすることが困難になることもしばしばあります。それ以外には下記のようなSLE様症状、強皮症様症状、多発性筋炎様症状が患者さまに応じて現れます。

  • SLE様症状
    • 顔の発赤
    • リンパ節の腫れ
    • 関節の痛み
    • 胸の痛み
    SLEに似た症状として、顔面の紅斑やリンパ節腫脹を認めることがあります。また、手足の多発関節炎を生じることもあり、時に変形を伴うこともあります。また、胸膜炎や心膜炎からの胸痛を訴えられることもあり、胸水が溜まってレントゲンで発見されることもあります。MCTDではSLEと同様に腎炎をきたすことがありますが、SLEに比べて比較的軽症なことが多いです。
  • 強皮症様症状
    • 皮膚が硬くなる
    • 咳が出る
    • 胸やけ
    • 便秘・下痢
    強皮症に似た症状として、皮膚が硬くなり、摘まみにくくなることがあります。間質性肺炎を起こすと、痰が絡まない乾いた咳が出ることがあります。また、食道蠕動運動の低下により逆流性食道炎が起こると、胸やけなどが見られます。消化管の動きが悪くなると、下痢や便秘を起こすこともあります。
  • 多発性筋炎様症状
    • 筋力低下
    多発性筋炎に似た症状として、四肢の筋力低下を認めることがあります。寝ている状態から起き上がることが難しくなったり、階段が上りにくい、物が取りにくいなどの症状を訴えられます。
  • その他の症状
    • 肺高血圧症
    MCTDの10%程度に合併してくる病気で、息切れや疲労感、動悸などの症状ではじまります。病状が悪化すると心不全や呼吸不全になることもあり、早期に発見して治療をすることが大切です。
    • 無菌性髄膜炎
    MCTD患者さまが非ステロイド性抗炎症薬(特にイブプロフェンなど)を使用すると、原因不明の頭痛・発熱・意識障害などを生じることがあり、無菌性髄膜炎を発症していることがあります。そのため、MCTD患者さまの鎮痛や解熱には、原則、非ステロイド性抗炎症薬は用いず、アセトアミノフェンなどを使用するようお勧めしています。

MCTDの検査

  • 採血検査:MCTD等に特徴的な抗体などを含めて評価します
  • 胸部レントゲン/胸部CT:間質性肺炎の評価を行います
  • その他の検査はSLE、強皮症、筋炎の検査に準じて

当院の外来でMCTDを疑った場合には、MCTDに特異的な抗体検査などの採血、尿検査、胸部レントゲン検査などを行い、全身の評価を行います。MCTDの疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。

MCTDの診断基準

レイノー症状、手指・手背の腫脹、肺高血圧症(心臓エコーで判断します)があり、採血で抗U1 -RNP抗体陽性を認め、かつ厚生省研究班の提唱された診断基準を用いて診断していきます。

混合性結合組織病の診断基準

混合性結合組織病の診断基準

Pocket Book of Rheumatology2017より許可を得て転載

MCTDの治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬
  • その他の対症療法

MCTDの治療は、SLE様症状、強皮症様症状、筋炎様症状の出現している状態に応じて変わりますが、治療の中心は副腎皮質ステロイドになります。また、間質性肺炎や腎炎、中枢神経症状など、病状が強い場合には入院にてステロイド大量投与や免疫抑制剤の併用を行います。クリニックの外来では、MCTDの症状や検査結果の悪化がないか診察を行い、症状ごとに治療を行いながら、少しずつステロイドを減量していきます。

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