発熱
当院でよく診るお熱の病気
- 急性上気道炎(いわゆる風邪)
- 急性扁桃炎
- インフルエンザ
- 肺炎
- 尿路感染
- 脱水症
注意が必要なお熱の病気
- 髄膜炎
- 重症肺炎
- 腎盂腎炎
当院にお熱で来院される場合は、急性上気道炎(いわゆる風邪)の患者さまが非常に多いです。急性上気道炎の原因の9割はウイルス性ですので、できる限り不要な抗生物質を使わず、しんどい症状を和らげてくれるお薬(対症療法)を中心に治療するようにしています。実際にほとんどケースはこの対症療法のみで回復していきます。
ただ、喉の奥にある扁桃腺の腫れが強く起こる細菌性扁桃炎などでは抗生物質が必要となる場合もあり、また高齢者の患者さまでは、たとえお熱が37℃以下でも肺炎を発症されていることもあります。また、お熱とともに排尿時の陰部の違和感や痛みを訴えられる方では、尿路感染症(尿道に細菌が感染している病気)も疑います。尿路感染症は、放置しておくと腎盂腎炎(細菌の感染が尿道・膀胱だけにとどまらず腎臓にまで拡がり、強い炎症を起こしたもの)になることもありますので、注意が必要です。
夏季には脱水症からのお熱で来院される方も多く、こういうケースでは速やかに点滴をして治療をしています。また、冬季にはインフルエンザからのお熱の患者さまも多く、患者さまのご状況に合わせてインフルエンザ治療薬を使用して治療を行っています。
しびれ
当院でよく診るしびれの病気
- 帯状疱疹
- 糖尿病性神経障害
- ASO(閉塞性動脈硬化症)
- 頚椎症
- 肘部管症候群
- 手根管症候群
- 腰部脊柱管狭窄症
- 椎間板ヘルニア
注意を要するしびれの病気
- 脳梗塞
皮膚にぴりぴりしたしびれが出現し、水ぶくれや湿疹がでてくる場合には帯状疱疹(たいじょうほうしん)を疑います。帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療を行いますが、しびれ症状が強い場合には、できる限り早いタイミングで神経障害の治療も同時に行うことが大切です。このタイミングが遅くなると、後遺症として神経症状が残ってしまうことがしばしばあります。
また糖尿病が悪化することで、手足の神経症状が出現してくることもあり、できる限り血糖値を安定させていくことが大切です。片手、片足のしびれから頚椎症(けいついしょう)や腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、ヘルニアを疑う場合も多く、その場合には近隣の整形外科に速やかに紹介させていただいております。注意を要するしびれ症状としては、脳梗塞の一症状でしびれが出現してきている場合で、脳梗塞を疑う場合には急性期病院の救急外来に搬送させていただく場合もあります。
ふるえ
当院でよく診るふるえの病気
- 細菌感染症(肺炎、腎盂腎炎など)
- インフルエンザ
- パーキンソン病
注意が必要なふるえの病気
- 低血糖発作
- 甲状腺機能亢進症
- 脳梗塞
- 本態性振戦
当院に来院される患者さまの「ふるえ」症状で頻度が多いのは、急性上気道炎(いわゆる、ウイルス性のかぜ)に伴うお熱からくるふるえです。熱が上がりはじめるときなどに身体全体にガクガクとふるえを感じ、驚いて来院されるケースがよくあります。時折、細菌感染症により高熱が出て震える場合もあり、この際には速やかな原因検索と抗生剤投与が必要となります。
また、糖尿病の患者さまでは、血糖を下げる薬を内服中に、薬が効きすぎて低血糖が生じることがあり、その際に手がふるえることもありますので、外来で普段から症状の出現に注意するようお話をしています。甲状腺機能亢進症でも手の震えが出現することがあるので、診察や採血の結果で診断をしていきます。脳梗塞の一症状として、手先のふるえを訴えられる方もおられますので、気になるふるえ症状がある場合には受診を検討ください。
麻痺
当院で診ることのある麻痺の病気
- 顔面神経麻痺
- 脳梗塞
- 脳出血
外来で時々診るのが、顔面神経麻痺です。これは、顔の筋肉を動かしている顔面神経が麻痺する病気で、ある日突然、片目を閉じることができなくなったり、口の片側が閉じにくくなり、よだれが出てしまうといった症状を起こします。
また、突然片側の手足が動かしにくくなり来院されることもあり、その場合には脳梗塞や脳出血を疑い、速やかに近隣の急性期病院に紹介して救急搬送をしています。
むくみ
当院でよく診るむくみの病気
- 心不全
- 甲状腺機能低下症
- ネフローゼ症候群
- 急性糸球体腎炎
- リンパ浮腫
- 肝硬変
当院の外来では、「両足のむくみ」で来院されることが多いです。ある日気が付くと、靴下の跡が足首に強く残っていることでむくんでいることに気が付き、来院されます。
むくみの原因は多岐にわたりますが、代表的なものとして心不全が悪化し、両足のむくみが出てきて来院されるケースがしばしばあります。
また、甲状腺からの甲状腺ホルモンの分泌が低下して全身にむくみを生じる甲状腺機能低下症も時々診ることがあります。
その他、ネフローゼ症候群や急性糸球体腎炎といった、腎臓自体に異常が生じてむくみを生じる病気もあり、むくみを主訴に来院される患者さまには、採血に加えて胸部レントゲンや尿検査を行い、丁寧に評価することが大切になります
体重増加
当院でよく診る体重増加を伴う病気
- 糖尿病
- 甲状腺機能低下症
注意を要する体重増加
- クッシング症候群
- 薬剤性
体重増加に悩んで来院される患者さまが時々おられます。
体重増加の原因として、非常に多いのが食事による肥満です。また肥満に伴って糖尿病を発症し、その糖尿病が悪化することで腎機能が悪化してしまい、それにより体内に水分が貯留して体重が増えてしまう患者さまもしばしばおられます。また、甲状腺ホルモン分泌が低下する甲状腺機能低下症や、体内でのステロイドホルモンの過剰分泌を起こすクッシング症候群などでも、体重の増加を生じることがあります。
また、忘れてはならないのが、お薬による体重の増加です。一部の内服薬(抗うつ薬、経口血糖降下剤、ステロイドetc)では、お薬自体の影響により体重が増えることがあります。そのため、当院の外来では、他の病院も含めて現在内服されているお薬をしっかり整理し、副作用として体重増加を生じるものがないか確認するように努めています。
体重減少
当院でよく診る体重減少の病気
- 慢性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 甲状腺機能亢進症
- 糖尿病
注意を要する体重減少の病気
- 癌
- 結核
- 拒食症
- うつ病
若い方の体重減少では、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍により胃もたれや食欲低下が起こり、体重が減ってしまうケースがしばしばあります。他にも、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症や重症の糖尿病でも体重減少を起こすことがあります。また拒食症、うつ病などから食事量が低下して体重減少を生じることもあり、注意が必要になります。
高齢者の体重減少では、特に癌の可能性を念頭に、全身を注意深く診察・検査をしていく必要があります。また、ステロイドや免疫抑制剤を使用している患者さまが体重減少をしている場合では、結核の感染にも注意をして診察をしていきます。結核は過去の病気というイメージがありますが、現在でも集団感染を起こすこともある病気ですので、常に念頭において診察することが大切だと考えています。
発疹
当院でよく診る発疹の病気
- 蕁麻疹
- 蜂窩織炎
- 帯状疱疹
- 口唇ヘルペス
- 薬疹
- 膠原病
当院は内科ですが、発疹を主訴に来院される患者さまもよくおられます。
特に多いのは、皮膚が赤く地図状に盛り上がり、強い痒みが出る蕁麻疹(じんましん)です。蕁麻疹の原因は食べ物や薬などが有名ですが、実は原因がわからないことがほとんどと言われています。
また、突然に顔面や手足の一部が赤く腫れ、痛みが強いため来院される場合には、皮膚の細菌感染症である蜂窩織炎(ほうかしきえん)などを疑い、抗生剤でしっかり治療を行います。
また、皮膚にぴりぴりした痛みが出現し、水泡や発疹がでてくる場合には帯状疱疹(たいじょうほうしん)を考えます。帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療を行いますが、ぴりぴりした神経症状が強い場合には、できる限り早いタイミングで神経障害の治療も同時に行うことが大切です。このタイミングが遅くなると、後遺症として神経症状のみが残ってしまうことがしばしばあります。
虫刺され
当院でよく診る虫刺され
- ダニ・ノミによる刺傷
- 蚊による刺傷
- ハチによる刺傷
- ムカデによる刺傷
当院の外来では、特に夏季などに寝ている間にダニやノミに刺されて来院される方がよくおられます。また、蚊に刺された後をご自身で掻くことで出血したり、腫れがひどくなって来院されることもあります。また、ハチやムカデに刺されて緊急で来院されるケースもあります。特にハチ刺傷は注意が必要で、刺されたあとの局所の痛みや痒み、腫れに加えて、全身の蕁麻疹症状や呼吸困難を生じる(アナフィラキシーショック)ことがあり、状態次第では近隣の救急病院に搬送させていただく場合もあります。
切り傷
当院でよく診る切り傷・打撲創
- 生活用品(ハサミ、紙、カッターなど)による切創
- 台所用品(包丁、スライサーなど)による切創
- 転倒による外傷
夕食の準備中に包丁やスライサーで手を切ったり、日常の生活用品で皮膚を傷つけて来院される方が良くおられます。包丁等による切創では、出血は多くても浅い傷であれば、切れた皮膚を塞いでくれるテープ(ステリストリップ®等)を使用して、縫合することなく治療することができます。逆に、やや深めで縫合する必要がある場合には速やかに近隣の救急に紹介させていただきます。
また転倒に伴い皮膚が破れて出血したり、打撲で皮下出血を起こされ来院されることもあります。基本的には十分洗浄を行い、皮膚が残存している場合にはもう一度元の場所に戻して固定することで再接着する場合もあります。出血がひどい場合や傷自体が深い場合には、近隣の救急に速やかに紹介するようにしています。
褥瘡(床ずれ)
当院でよく診る褥瘡
- 仙骨部褥瘡
- 大転子部褥瘡
- 踵部褥瘡
- 背部褥瘡
特に高齢の患者さまで寝たきりの方や、身体の一部に拘縮がある方では、骨と皮膚の間にある組織が床との間で圧迫されて血液の流れが悪くなり、床ずれ(褥瘡:じょくそう)を起こすことがあります。仙骨部や坐骨、踵、大転子、膝関節外側など、骨が飛び出ている部位に起こりやすいです。はじめは赤くなる程度ですが、徐々に皮膚の表面が荒れて浸出液が現れ、深くなっていきます。できる限り早期に発見して、予防・治療を行っていくことが大切です。
当院でよく使用する褥瘡治療薬
・アクトシン軟膏・プロスタンディン軟膏・ゲーベンクリーム・ユーパスタ軟膏・フィブラストスプレー
当院でよく使用する被覆材
・フィルム製剤・エスアイエイド®・デュオアクティブET® デュオアクティブCGF®・ハイドロサイト®
ふらつき
当院でよく診るふらつきの病気
- 起立性低血圧
- 鉄欠乏性貧血
- 良性発作性頭位めまい症
- メニエル病
- 自律神経失調症
- 薬剤性低血圧
注意を要するふらつきの病気
- 脳梗塞
- 脳出血
特に若年女性などで、普段から血圧の低い方が立ち上がる際などにふらつかれる場合に考えるのが、起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)です。寝た状態で座った状態とで血圧が変化するかなどを診て診断していきます。また、また生理出血の多い方や、実際に消化管などに異常があって出血されている方では、採血上でもヘモグロビンの値が低下し、鉄欠乏性貧血になっていることからふらつきを生じされることもあります。その他にも、三半規管の異常でふらつきが生じる良性発作性頭位めまい症や、メニエル病、突発性難聴の方も来院されることがあり、これらを疑った場合には速やかに近隣の耳鼻科に紹介させていただきます。また、降圧剤の過量投与で血圧が下がってふらつきを生じている方も時々おられますので、特に初診の際には今内服されているお薬の確認が非常に大切になってきます。