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血管炎症候群

血管炎症候群とは

高安動脈炎(大動脈炎症候群)

高安動脈炎とは

高安動脈炎(大動脈炎症候群)は、心臓から出る大動脈や、そこから分岐する大きな血管の壁に炎症が生じ、血管の狭窄や閉塞により様々な臓器に障害を生じる膠原病です。血管の狭窄により四肢末梢まで十分に血流が届かなくなることもあり、手首の脈が触れなくなることもあるため、別名:脈なし病とも呼ばれていました。

高安動脈炎の疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では高安動脈炎の患者さまは約6,000人おられると考えられています。男女比は1:9で女性に多く、小児にも生じることがありあります。高安動脈炎の原因は現在のところ不明です。

高安動脈炎の症状

  • 微熱
  • 身体のだるさ
  • 体重減少
  • 首の痛み、胸の痛み
  • 視力低下、目の前が暗くなる
  • 血痰

高安動脈炎の症状は、原因不明の発熱、疲労感、倦怠感などが継続し、一般病院ではじめは感染症だと思われ抗生剤などで治療をされるも、改善がなく紹介されてくるケースが多いです。慢性的な炎症が全身の太い血管に起こっているため、体重減少を伴うこともあり、首や心臓の血管壁に強く炎症が起こると、首の痛みや胸の痛みを訴えられることもあります。また目に栄養を与えている眼動脈にも炎症を起こすことがあり、放置しておくと失明することもあります。また肺の血管にも炎症を起こすことがあり、血痰や呼吸困難などを生じることがあります。

高安動脈炎の検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 心電図/心Echo/頸部Echo:弁膜症、頸動脈壁肥厚の評価
  • 胸部レントゲン/胸腹部造影CT/PET検査:血管壁の腫れの評価
  • 肺血流シンチ:高安動脈炎による肺の血流障害の評価
  • 眼科紹介:視力障害や眼底所見の評価

当院の外来で高安動脈炎を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、頸部エコー検査などを行い、全身の評価を行います。そこで高安動脈炎の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。高安動脈炎を疑った場合に(主に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

診断基準

診断基準

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

高安動脈炎の治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬
  • 生物製剤

高安動脈炎に対しては副腎皮質ステロイドでの治療が原則になります。またステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤や生物製剤を追加して治療していきます。

巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

巨細胞性動脈炎とは

巨細胞性動脈炎は、高安血管炎と同様に大型血管炎とグループに含まれる血管炎で、主に頭の動脈の壁に炎症が起こり、血管が細くなったり詰まったりして症状を起こします。
主に高齢の方に発症し、炎症を起こしている血管の壁には巨細胞と呼ばれる細胞がたくさん集まっていることから、巨細胞性動脈炎と呼ばれています。以前は側頭動脈炎とも呼ばれていましたが、側頭動脈以外の大血管にも炎症が生じることが分かってきたため、現在は巨細胞性動脈炎という名称になっています。

巨細胞性動脈炎の疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では高安動脈炎の患者さまは約700人おられると考えられています。男女比は1:2-3で女性に多く、発症年齢は50歳以上です。巨細胞性動脈炎の原因は現在のところ不明です。

巨細胞性動脈炎の症状

  • 微熱
  • 身体のだるさ
  • 体重減少
  • 手足のだるさ
  • 顎の痛み
  • こめかみの痛み(側頭動脈の腫れ、痛み)
  • 視力低下、目の前が暗くなる

巨細胞性動脈炎は、原因不明の発熱、疲労感、体重減少などで発症します。慢性的な炎症が頭部や手足の動脈に起こっているため、手足のだるさや、物を噛んでいるとだんだん顎が痛くなってくるなどといった症状を訴えられる方もおられます。側頭動脈の壁に炎症が起こると、こめかみの痛みや血管の腫れが生じることもあります。また、目に栄養を与えている眼動脈にも炎症を起こすことがあり、放置しておくと失明することもあります。

巨細胞性動脈炎の検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 心電図/心Echo:弁膜症等の評価
  • 胸部レントゲン/胸腹部造影CT:血管壁の腫れの評価
  • 側頭動脈・頸動脈エコー:血管炎による動脈壁の炎症の評価
  • 側頭動脈生検:側頭動脈の病理検査
  • 眼科紹介:視力障害や眼底所見の評価

当院の外来で巨細胞性動脈炎を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、側頭動脈エコー検査などを行い、全身の評価を行います。そこで側頭動脈炎の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。側頭動脈炎を疑った場合に(特に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

巨細胞性動脈炎の診断基準

巨細胞性動脈炎の診断基準

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

巨細胞性動脈炎の治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬
  • 生物製剤

巨細胞性動脈炎の治療で最も大切なのは、早期発見・早期治療です。特に眼動脈の壁に炎症があると、場合によっては失明してしまう可能性もあるため、早期に治療を開始することが大切になります。治療の中心は副腎皮質ステロイドで、ステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤や生物製剤を追加して治療していきます。

結節性多発動脈炎(PAN)

結節性多発動脈炎(PAN)とは

結節性多発動脈炎は、主に体内の小~中くらいの太さの血管を中心に、血管の壁に炎症が生じて様々な症状をきたす病気です。大血管炎(高安動脈炎や巨細胞性動脈炎)よりも急激に発症するケースが多く、血管壁の炎症が強いために組織が壊死してしまうこともあり、早期発見が重要になります。

PANの疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では結節性多発動脈炎の患者さまは3,000人以上おられると考えられています。男女比は3:1で男性に多く、発症年齢は40~60歳に多いです。結節性多発動脈炎の原因は現在のところ不明です。

PANの症状

結節性多発動脈炎では、ほとんどの症例で発熱、身体のだるさ、体重減少等を認めます。

  • 皮膚症状
    手足に網状皮班(リベド)と呼ばれる網目状の湿疹や、紫色の湿疹を生じることがあり、手足に潰瘍が生じて、ひどい場合には指先が壊死してしまうこともあります。
  • 神経症状
    末梢神経障害により手足のしびれ、動かしにくさを訴えられることがあり、脳の血管壁に炎症が起こると脳梗塞や脳出血を起こして意識障害や麻痺症状を生じることがあります。
  • 腎症状
    腎臓の血管壁に炎症が起こると、異常な高血圧が起こることがあります。また、腎臓への血管が炎症で細くなり詰まってしまうと、腎不全や腎梗塞を生じることがあります。
  • 消化器症状
    腸管の血管壁が炎症を起こすと、急激な腹痛や出血を起こすことがあります。症状が強い場合には、腸閉塞になったり、腸管穿孔(腸管の壁が破れる)こともあります。
  • 心臓・肺の症状
    心臓の血管に炎症が起こると、狭心症や心筋梗塞を発症することがあります。また、肺の血管に炎症が起こることで肺の中で出血を起こし、痰に血が混じったり、喀血(血を吐く)や肺梗塞(肺の血管が詰まる)を起こすことがあります。

PANの検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 心電図/心Echo:心筋虚血等の評価
  • 胸部レントゲン/胸腹部造影CT:血管壁の腫れの評価
  • 血管造影検査:血管炎による動脈壁の炎症の評価
  • 胃カメラ/大腸カメラ:消化管での出血などの評価
  • 皮膚科紹介:湿疹部位の病理検査
  • 神経内科紹介:神経電動速度の検査や神経の病理検査
  • 頭部MRI

当院の外来で結節性多発動脈炎を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、心電図検査などを行い、全身の評価を行います。そこで結節性多発動脈炎の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。結節性多発動脈炎を疑った場合に(主に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

PANの診断基準

PANの診断基準 厚生労働省2006年

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

PANの治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬

結節性多発動脈炎の治療は副腎皮質ステロイドで行います。ステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤を追加して治療していきます。また、消化管障害や腎障害、神経障害などの病状に応じて適宜、治療を行っていきます。

顕微鏡的多発血管炎(MPA)

顕微鏡的多発血管炎(MPA)とは

顕微鏡的多発血管炎(MPA)は、皮膚や神経、肺や腎臓などの臓器に発している小さな血管(細小動静脈、毛細血管)に炎症が起こり、様々な症状が生じる病気です。ANCA(抗好中球細胞質抗体)という抗体が関係していると言われています。

MPAの疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では顕微鏡的多発血管炎の患者さまは10,000人前後と考えられています。女性にやや多く、発症平均年齢は70歳です。顕微鏡的多発血管炎の原因は現在のところ不明ですが、MPO(ミエロペルオキシダーゼ)と呼ばれる好中球に含まれるたんぱく質に対する抗体(ANCA)が関わっていることが報告されています。

MPAの症状

  • 全身症状
    顕微鏡的多発血管炎では、多くのケースで発熱、身体のだるさ、体重減少等の症状を認めることが多いです。
  • 皮膚症状
    手足に紫色の湿疹や皮下の出血を生じることがあり、手足に潰瘍が生じることもあります。
  • 神経症状
    末梢神経障害により手足のしびれが生じ、それに伴って手足の動かしにくさを訴えられることもあります。
  • 腎症状
    腎臓の中を走っている細い血管の壁に炎症が起こると、血尿や蛋白尿を起こすことがあります。炎症が強くなると、腎臓の組織に血が通わなくなり壊死を起こして、壊死性糸球体腎炎を生じ、腎不全に至ることもあります。
  • 肺の症状
    肺の中の小さい血管に炎症が起こると、肺の中で出血を起こし、痰に血が混じったり、喀血(血を吐く)を起こすことがあります。また炎症が長期間継続すると、肺線維症(肺の組織が線維化して硬くなる)などを生じることもあります。
  • 消化器の症状
    消化管の小血管に炎症が起こると、嘔吐や下痢、腹痛が生じることがあります。また、炎症が強い場合には消化管出血を呈することもあります。

PANの検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 尿検査:腎臓機能障害(血尿・蛋白尿など)の評価
  • 心電図/心Echo:心筋虚血等の評価
  • 胸部レントゲン/胸部CT:間質性肺炎や肺胞出血の評価
  • 胃カメラ/大腸カメラ:消化管での出血などの評価
  • 皮膚科紹介:湿疹部位の病理検査
  • 神経内科紹介:神経電動速度の検査や神経の病理検査

当院の外来で顕微鏡的多発血管炎を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、心電図検査などを行い、全身の評価を行います。そこで顕微鏡的多発血管炎の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。顕微鏡的多発血管炎を疑った場合に(主に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

MPAの診断基準

MPAの診断基準 1998年厚生省

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

MPAの治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬

顕微鏡的多発血管炎の治療は、主に副腎皮質ステロイドで行います。ステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤を追加して治療します。また、腎障害、肺障害、神経障害などの病状に応じて適宜、治療を行っていきます。

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)

GPAとは

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)は、特に上気道(目、耳、鼻、口など)、肺、腎臓の3つの臓器に分布している小さい血管(細小動静脈、毛細血管)に炎症が起こり、様々な症状が生じる病気です。病態にはANCA(抗好中球細胞質抗体)という抗体が関係していると言われています。

GPAの疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では多発血管炎性肉芽腫症の患者さまは3,000人前後と考えられています。男女比は1:1で、男性では30-60歳代、女性では50歳代に発症されることが多いです。多発血管炎性肉芽腫症の原因は現在のところ不明ですが、特にPR3-ANCAと呼ばれる自己抗体が関わっていることが報告されています。

GPAの症状

  • 全身症状
    多発血管炎性肉芽腫症では、発熱、食欲不振、身体のだるさ、体重減少等の症状を認めることがあります。
  • 上気道症状
    眼の周囲に分布している小血管の炎症により、視力低下や充血、眼の痛みなどを生じることがあります。また、鼻や耳に分布している小血管にも炎症を起こし、鼻血や鼻ダレ(膿性鼻漏)、耳の痛みや耳ダレ(耳漏)、難聴などを起こすこともあります。咽頭に炎症が生じると、のどの痛みや口内炎、声がれなどを起こすこともあります。
  • 肺の症状
    肺の中の小さい血管に炎症が起こると、肺の中で出血を起こし、痰に血が混じったり、喀血(血を吐く)を起こすことがあります。また炎症が長期間継続すると、肺の中に肉芽と呼ばれる塊や空洞を生じることがあります。
  • 腎臓の症状
    腎臓の中を走っている細い血管の壁に炎症が起こると、血尿や蛋白尿を起こすことがあります。炎症が強くなると、腎臓の組織に血が通わなくなり腎不全に至ることもあります。

GPAの検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 尿検査:腎臓機能障害(血尿・蛋白尿など)の評価
  • 心電図/心Echo:心筋虚血等の評価
  • 胸部レントゲン/胸部CT:間質性肺炎や肺胞出血の評価
  • 気管支鏡検査:肺病変の評価
  • 皮膚科紹介:紫斑や皮下結節、潰瘍部位の病理検査
  • 眼科紹介:眼病変の評価
  • 耳鼻科紹介:副鼻腔、耳病変の評価・病理検査

当院の外来で多発血管炎性肉芽腫症を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、心電図検査などを行い、全身の評価を行います。そこで多発血管炎性肉芽腫症の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。多発血管炎性肉芽腫症を疑った場合に(主に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

GPAの診断基準

GPAの診断基準 1998年厚生省

GPAの診断基準 1998年厚生省

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

GPAの治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬

多発血管炎性肉芽腫症の治療は、主に副腎皮質ステロイドで行います。ステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤を追加して治療します。また、上気道障害、肺障害、腎障害などの病状に応じて適宜、治療を行っていきます。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

EGPAとは

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、全身の臓器の小さい血管(細小動静脈、毛細血管)に好酸球という細胞が浸潤して炎症が起こり、様々な症状を生じる病気です。もともと花粉症や気管支喘息をお持ちの患者さまに起こることがあります。病態にはANCA(抗好中球細胞質抗体)という抗体が関係していると言われています。

EGPAの疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本では好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症の患者さまは2,000人前後と考えられています。男女比は1:1.7で、平均年齢は55歳程度です。好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症の原因は現在のところ不明ですが、花粉症や気管支喘息などのアレルギーをお持ちの方に起こりやすく、またMPO-ANCAという抗体が約半数の患者さまで陽性になることから、これらが病態に関わっている可能性が指摘されています。

EGPAの症状

  • 全身症状
    元々、アレルギー性鼻炎や気管支喘息で、鼻汁や咳を訴えておられることが多いです。好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症を発症すると、発熱、食欲不振、身体のだるさ、体重減少等の症状を認めます。
  • 鼻・耳の症状
    好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症では、多くのケースで副鼻腔炎や中耳炎、鼻粘膜炎などの炎症を起こし、鼻汁、鼻詰まり、耳鳴り、難聴などを起こします。また鼻茸と呼ばれるポリープが鼻の中にできることもあります。
  • 皮膚症状
    手足に紫色の湿疹や皮下の出血を生じることがあります。また、触ると痛みを伴うような湿疹を生じることもあります。
  • 神経症状
    末梢神経障害により手足のしびれが生じ、それに伴って手足の動かしにくさを訴えられることもあります。また、中枢神経に炎症が生じると、脳梗塞や脳出血、精神症状などを生じることもあります。
  • 腎症状
    腎臓に炎症が起こると、血尿や蛋白尿を起こすことがあります。稀に糸球体腎炎を生じ、腎不全に至ることもあります。
  • 心臓・肺の症状
    心臓に炎症が起こると、心膜炎による胸痛や不整脈、胸痛などを起こすことがあります。また、肺に炎症が起こると、肺の組織に好酸球が集まることで咳・息切れが出現したり、血痰を生じることがあります。
  • 関節の症状
    関節や筋肉に炎症が起こり、多発関節炎や筋肉痛を起こすことがあります。

EGPAの検査

  • 採血検査:炎症反応の評価や、その他の血管炎の鑑別をするための採血検査を行います
  • 尿検査:腎臓機能障害(血尿・蛋白尿など)の評価
  • 心電図/心Echo:不整脈、心膜炎、心筋虚血等の評価
  • 胸部レントゲン/胸部CT:肺胞出血等の評価
  • 気管支鏡検査:肺病変の評価
  • 皮膚科紹介:紫斑や皮下結節、潰瘍部位の病理検査
  • 耳鼻科紹介:副鼻腔、耳病変の評価・病理検査
  • 神経内科紹介:末梢神経障害の評価

当院の外来で好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症を疑った場合には、炎症所見含めた採血検査、尿検査、胸部レントゲン検査、心電図検査などを行い、全身の評価を行います。そこで多発血管炎性肉芽腫症の疑いが濃厚の場合には、近隣の大病院(大学病院、赤十字病院等)に紹介させていただき、さらに詳しい検査を行います。好酸球性多発多発血管炎性肉芽腫症を疑った場合に(主に入院で)行う検査の例は上記のようになります。

EGPAの診断基準

AGA(CSS)の診断基準 厚生労働省

AGA(CSS)の診断基準 厚生労働省

厚生労働省ホームページより抜粋・改変

EGPAの治療

  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制薬

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療は、主に副腎皮質ステロイドで行います。ステロイドのみで治療が困難な場合には免疫抑制剤を追加して治療します。また、各病状に応じて適宜、治療追加を行っていきます。

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