上京区・中京区近隣の総合内科クリニックです。呼吸器疾患(咳、息切れ等)、リウマチ・膠原病疾患のご心配のある方はお気軽にご連絡ください。患者さまが自分の病いと上手く向き合い、その人の人生をその人らしく生きていけるように手助けする、そんな医療を目標としています。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群は、主に涙の分泌低下(ドライアイ)と口腔乾燥(ドライマウス)を生じる膠原病です。大きく分けると、その他の膠原病の合併のない「原発性シェーグレン症候群」と、関節リウマチやSLE、強皮症などの膠原病に合併して生じる「二次性シェーグレン症候群」に分けられます。ドライアイ、ドライマウス以外にも、皮膚や肺、膵臓、腎臓など全身の臓器に障害を起こすことがあります。

シェーグレン症候群の疫学・原因

難病情報センターの統計によると、日本ではシェーグレン症候群の患者さまは約7万人以上おられると考えられています。強皮症患者さまの男女比は1:17で、50歳代の女性に多いです。シェーグレン症候群の正確な原因は現在のところ不明ですが、遺伝やウイルス感染症、ホルモンなど多因子が発症に関わっている可能性が指摘されています。

シェーグレン症候群の症状

  • 腺症状
    シェーグレン症候群では、涙腺・唾液腺からの分泌が低下するため、ドライアイ、ドライマウスを生じます。ドライアイにより乾燥性角結膜炎を生じ、目の痛みやまぶしさ、充血などを訴えられることがあります。また、ドライマウスによりパサパサとした食べ物(パンやクッキーなど)が水分がないと食べにくくなり、味覚異常を訴える方もおられます。
  • 腺外症状
    皮膚病変 手足や体幹、顔面に輪っか状の丸い紅斑(環状紅斑)を生じることがあります。
    関節病変 多発関節炎を生じることがあります
    肺病弊 間質性肺炎
    消化器病変 自己免疫性膵炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、間質性腎炎などを合併することがあります。
    その他の症状 甲状腺機能異常、間質性膀胱炎、末しょう神経障害などを呈することがあります。

シェーグレン症候群の検査

  • 採血検査:シェーグレン症候群に特徴的な抗体などを含めて評価します
  • ガムテスト
  • 尿定性・沈査:間質性腎炎の有無の評価
  • 眼科への紹介:ドライアイの評価
  • 耳鼻科への紹介:口唇生検
  • 歯科への紹介:口腔衛生状態の評価

シェーグレン症候群を疑った場合には、特異的な抗体が陽性になっていないか、血球減少はないかなど採血検査を行います。また、尿検査にてシェーグレン症候群に伴う腎病変が出現していないか評価します。シェーグレン症候群では唾液の分泌が著しく低下するため、ガムテスト(ガムを10分間噛んでもらい、その間に出た唾液をすべて採取します。10mL/10分以下の量であれば分泌低下と判断します)を行います。

また、患者さまの症状に応じて、近隣の眼科・耳鼻科・歯科に紹介させていただき、眼科ではドライアイの評価を、耳鼻科では口唇の病理検査を、歯科では齲歯や歯周病の有無など、評価を行わせていただくこともあります。

シェーグレン症候群の診断

シェーグレン症候群にはいくつか診断・分類基準がありますが、患者さまのドライアイや口腔乾燥、特異的な抗体の有無、病理検査の結果などを総合して診断をしていきます。

シェーグレン症候群の診断

シェーグレン症候群の診断

治療

  • 唾液分泌促進薬
  • 点眼薬
  • 副腎皮質ステロイド
  • 免疫抑制剤

現時点では、根本的にシェーグレン症候群を治癒できるお薬は残念ながらありません。そのため、外来では腺症状(眼や口の乾燥症状)に対して症状を緩和してくれる唾液分泌促進薬や点眼剤を患者さまの状態ごとに調整しながら処方していきます。また、腺外症状に対しては、症状に応じてステロイド、免疫抑制剤を併用して使用することもあります。

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