息切れ
当院でよく診る息切れの病気
- 肺気腫
- 肺炎
- 肺癌
- 心不全
- 不整脈
当院外来で、息切れを主訴として来院される方の原因で多いのは、タバコによる肺気腫の患者さまです。胸部レントゲンや肺機能検査などで診断し、吸入薬を用いることで進行を抑制することができます。息切れと同時に咳や痰、お熱などの症状を伴って肺炎で来院される方もおられ、その場合には胸部レントゲンや採血で炎症の度合いを評価し、速やかに抗生剤治療を行いますが、呼吸苦が強く酸素の状態が悪い患者さまは、入院含めて近隣の病院に紹介させていただくこともあります。また、普段より心臓の機能が悪い患者さまが、風邪などをきっかけに心不全になられ、息切れを訴えて来院されるケースもよくあります。その場合には心臓の状態を評価し、利尿剤含めて心臓の負担を軽減する治療を行っていきます。
咳
当院でよく診る咳の病気
- 急性上気道炎(いわゆる風邪)
- 気管支喘息
- 肺気腫
- 肺炎
注意を要する咳の症状
- 肺癌
- 肺結核
咳を主訴の患者さまで圧倒的に多いのは、風邪(急性上気道炎)です。ほとんどがウイルスの感染ですので、抗生剤は不要で、辛い症状を緩和するため対症療法で経過を観察します。咳の患者さまの中には、咳に加えて明け方や夜間にヒューヒューと胸が鳴る気管支喘息を発症されている方もおられます。その場合には気管を拡げる吸入薬や吸入ステロイド薬を使用して、症状をコントロールします。また、タバコによる肺気腫でも慢性的な咳を訴える方がおられ、その場合には鎮咳剤などを調整して症状の緩和を図っていきます。
咳に加えて息切れやお熱、痰などを伴う場合には細菌性肺炎の可能性を疑い、胸部レントゲンを撮影して評価を行います。また、咳の患者さまの中には、肺癌や肺結核の方も時々おられますので、長引く咳の場合にはこられの病気を疑って検査および加療をしていく必要があります。
動悸、不整脈
当院でよく診る動悸・不整脈の病気
- 甲状腺機能亢進症
- 期外収縮
- PSVT
- 心房細動
- 狭心症・心筋梗塞
- 貧血
動悸の原因はさまざまですが、当院では不整脈で動悸を感じ、来院される場合が多いです。不整脈にもさまざまなタイプ(期外収縮、心房細動、PSVTなど)がありますので、まず外来で心電図をとらせていただきます。来院時には不整脈が起こっていないケースも多いので、動悸の症状が継続される方は、24時間心電図(ポータブルの心電図計を胸に装着して24時間連続で心電図を撮影するもの)を外来で行っています。また、甲状腺ホルモンが過剰分泌する甲状腺機能亢進症でも動悸症状が出現するので、疑った場合には採血で甲状腺ホルモンの測定などを行います。狭心症・心筋梗塞や貧血の一症状として動悸を訴えられる方もおられますので、疑いがある場合にはエコーや採血を行い精査していきます。
胸痛
当院で診る胸痛の病気
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 肋間神経痛
- 肺炎
- 帯状疱疹
- 気胸
- 肺梗塞
- 解離性大動脈瘤
基礎疾患(糖尿病や高脂血症など)がある方や高齢の患者さまで胸痛を訴えられる場合は、狭心症や心筋梗塞に注意して診察を行います。特に糖尿病では心筋梗塞を起こしていても胸痛を感じないことがあるので注意を要します。帯状疱疹や肋間神経痛、気胸で胸痛を覚えて来院される方もおられ、診察で皮疹を確認し、心電図や胸部レントゲン検査を行って鑑別していきます。肺炎も、炎症が拡がって胸膜まで達すると胸の痛みとして感じられる方がいるので、症状と胸部レントゲンで鑑別をすることが大切です。他にも、稀にですが肺梗塞(肺の血管が詰まる病気)や解離性大動脈瘤で胸痛を訴えられる患者さまもおられます。
むかつき・嘔吐
当院でよく診るむかつき・嘔吐の病気
- 急性胃腸炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 急性虫垂炎(盲腸)
- 腸閉塞
- メニエル病・突発性難聴
- 脱水症
- 自律神経失調症
むかつき・嘔吐症状で来院される方は、一過性の急性胃腸炎の患者さまが非常に多いです。口から水分を摂取できない場合には点滴を行い、症状の緩和を図ります。他にもむかつき・嘔吐症状を訴える場合には消化管に何らかの異常(胃・十二指腸潰瘍、急性虫垂炎、腸閉塞など)をきたしている場合が多いので、採血や腹部エコー等で検査を行い、症状によっては近隣の救急病院へご紹介する場合があります。むかつき以外に耳鳴りやめまいを伴う場合では三半規管の病気であるメニエル病や突発性難聴、良性発作性頭位めまい症などでもむかつきを生じることがあります。また夏季などでは、脱水に伴いむかつきを訴える患者さまも多く来院されますので、脱水症を疑った場合には点滴をさせていただくことがあります。
胸やけ
当院でよく診る胸やけの病気
- 逆流性食道炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 慢性胃炎
- 機能性ディスペプシア
胸やけを感じる場合、胃もしくは十二指腸に異常があることが多いです。逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍では、胃酸の分泌が過剰になり胸やけ症状として感じることがあります。一旦、胃薬で経過観察するケースもありますが、症状が強い場合には胃カメラをお勧めしています。また胃カメラで特に所見がなくても、胸やけ症状のみ継続する場合があります。その際には機能性ディスぺスシアという病気を疑います。機能性ディスペプシアは、胃の運動や消化作用などが悪くなったものと考えられており、これに対して胃の機能を改善する薬を処方して治療にあたります。
みぞおちの痛み
当院でよく診るみぞおちの痛みの病気
- 急性胃拡張
- 神経性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胆石発作
- 急性膵炎
- 心筋梗塞
みぞおちの痛みの原因として多いのは胃・十二指腸の異常です。急いで食事を食べた後などに急激に胃が拡張しみぞおちの痛みが出現する急性胃拡張や、ストレス等でみぞおちがしくしく痛くなる神経性胃炎などの方はよく来院されます。また、胃・十二指腸潰瘍でもみぞおちの痛みが生じますが、潰瘍がひどくなり出血が起こると、黒色便を認めることがあります。胃・十二指腸潰瘍を疑った場合には、早期に胃カメラをお勧めしています。みぞおちの痛みは消化管以外でも、胆石発作や膵炎でも起こることがあり、また心筋梗塞も胸痛ではなくみぞおちの痛みで出現することもあるので、症状に応じて採血や心電図検査をさせていただくことがあります。